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【豆知識】写真のボケと被写界深度!
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なるべくわかりやすく、被写界深度について書いてみたいと思います。

ピントがあった距離からの光は、センサー上で1点に結像し表示されます。

上の図で言うところの黒い点からの光です。

ですが、赤い点・青い点からの光はレンズに入射する角度が変わってくるので、

結像する距離も変わり、センサー上では1点に収束されません。

この時の光は円を描くように錯乱しているので、錯乱円と呼ばれます。

この錯乱円が大きくなると1点として認識できなくなり、写真にしたときにボケて見えるのです。

では、どの程度まで錯乱円が大きくなるとボケて見えるのでしょうか?

まずは、ここから簡単に説明します。



錯乱円の大きさ

視力についての説明は、こちらの記事にも書いてあります。

視力1.0の人が、50cmの距離で写真を見る時に認識出来る限界がだいたい0.15mm程度の大きさになります。

つまり、写真にした時に光の点の大きさがこの1.5mmより小さい場合は、点と変わらないように見えると言うことです。

これがピントが合っている状態です。

写真にした時に0.15mmと言う事は、センサー上での大きさはどれくらいでしょうか?

これは写真にする時の倍率によります。

フルサイズのカメラで撮影した写真なら、

スマホ(iPhoneX)やL板印刷なら約4倍。A4サイズまだ拡大するなら約8.25倍に拡大されていることになります。

そうなると、スマホで0.03~0.04mm、A4で約0.015mmの錯乱円と言うことになります。

この錯乱円の大きさを許容錯乱円といい、この大きさになるまでの範囲で入射する光の距離でピントが合っているとみなせると言うことです。

図で言うと赤い点(カメラに近い点)から青い点(遠い点)までと言うことです。

まとめると、この許容錯乱円を決める因子は3つになります。

人の視力と、写真を見る距離、そして写真にする大きさです。

私の場合は、ほとんどがスマホやダブレットでの鑑賞になり、

たまにA4サイズ程度に拡大して印刷したとしても離れた距離からの鑑賞となるので

許容錯乱円の大きさは0..03mm程度で妥当だと考えています。

許容錯乱円から被写界深度の求めかた

もう一度、この図で説明します。

許容錯乱円が決まると、ピントが合った距離からの赤い点、青い点までの距離を求めることができます。

このピントが合っている黒い点から赤い点までを前方被写界深度、青い点までを後方被写界深度といい

若干ですが、前方と後方でその距離が違います。

この被写界深度を求めるには代数の計算になるので、中学校程度の数学の知識で解けると思います。

興味がある方は解いてみて下さい。

とりあえず、結果から言うと

被写体までの距離が近く、焦点距離が長い望遠レンズで、レンズの絞りF値を小さくして撮影するほど被写界深度が浅く(狭い範囲に)なります。

ポートレート撮影でキレイなボケを出すために望遠側のレンズをF値を小さくして使う理由はこのためです。



ワンポイントアドバイス!F値を感覚的にコントロールしよう!

では、実際の撮影ではF値をどうやって設定していますか?

どの焦点距離のレンズでも開放にして撮影していますか?

先に書いたように同じF値でも焦点距離が変われば被写界深度も変わります。

ですので、どのくらいのF値でどれくらいの範囲がピントに合っているように見えるかは

知っていないと結果ピンボケの写真に成り兼ねます。

注意して下さい。

参考までに私のカメラの場合でご説明します。

カメラはD610(フルサイズ)、許容錯乱円は0.03mmとします。

28mmレンズ、F2、被写体までの距離1mで被写界深度が約15cm。

200mmのレンズ、F4、被写体までの距離5mで被写界深度が約15cmになります。

子供の顔にピントを合わせて、顔だけをはっきり写すにはこれくらいでもいいのかなーと思っています。

ただうちは子供が二人いますので、二人で遊んでいるところを写すとなると話は別です。

200mmのレンズ、距離5mでF8だと約28cm、F10だと約35cmになります。

二人にピントを合わせるならこれくらい絞らないと行けないのかもしれません。

また、広角レンズになればF値を絞らなくても被写界深度は深くなるので

スナップ写真や集合写真などの場合は、28mmのレンズで撮影するようにしています。

(f28mm、距離3m、F5.6の場合の被写界深度6〜7mとなります。)

望遠レンズではいくら離れてF値を大きくしても被写界深度がそこまで深くならないためです。

条件と被写界深度の計算は、エクセルなどで簡単に入力すると計算してくれます。

またインターネットで「被写界深度 計算」などのワードでググればすぐに見つかりますので

一度ご自分のレンズ、焦点距離で計算してみて下さい。

ただ、毎回計算するわけにはいきませんし、暗記する必要もありません。

目安としていつも使う焦点距離とF値を参考までに知っているだけで十分だと思います。

知っていれば感覚的に焦点距離とF値を操作できるようになると思いますので、

頑張って慣れていきましょう!

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